めぐみさん死んだ発言 BPO「人権侵害ない」 「軽い発言」家族会懸念(産経新聞)

 ジャーナリストの田原総一朗氏が討論番組で、横田めぐみさん=拉致当時(13)=ら北朝鮮による拉致被害者を「生きていない」と発言した問題。10日に下された「不適切だが、人権侵害とは認められない」との放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会の審査結果は、家族の奪還のために長年活動してきた拉致被害者の家族会の思いとの間に大きな“ズレ”を感じさせた。家族会メンバーは「何を言っても許されるのか」と懸念を表明した。

 問題の発言は、昨年4月25日未明の「朝まで生テレビ!」の中でなされた。田原氏は「政府が拉致被害者全員が生きていることを前提に対応するのはおかしい」と触れた上で、「外務省も生きていないことは分かっている」と発言。家族会が「重大な人権侵害」と抗議し、同委員会に申し立てていた。

 この発言について委員会は「家族への配慮を欠き、不適切」との判断を示したが、田口八重子さん=同(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さんは「家族の精神的苦痛を和らげるものではなく、より不信感を増幅させるもの」と感じたという。

 10日午後に文章を読み上げる形で、担当者から審査結果を告げられた飯塚さんは「この発言が許されるなら、世論を逆の方向に、北朝鮮に有利な方向に進める可能性がある」とその場で懸念を表明したという。

 家族会が訴えるのは、発言の根拠を示すべきだという点だ。増元るみ子さん=同(24)=の弟で家族会事務局長の照明さんは「拉致問題は単なる政治問題ではなく誘拐事件。人命がかかっている問題で(拉致被害者の)生死にかかわることを軽々に発言することは倫理上問題にならないのか。残念だ」と語った。

 めぐみさんの父、滋さんは田原氏発言の直後、発言を特別大きな問題とはとらえていなかった。「北の公式見解に基づくものならほうっておけばいい」。だが、「外務省も分かっている」となると話が違う。しかし、今回の一連のやり取りで、政府は公式に田原発言を否定。田原氏側も「取材源の秘匿」を理由に明確に根拠を示すことはなかった。滋さんは「われわれの運動に変わりはない」と改めて表明した。

 この問題をめぐっては、有本恵子さん=同(23)=の両親が精神的に傷つけられたとして、慰謝料を求める訴えを神戸地裁に起こしている。

【関連記事】
田原さん発言は「不適切」 拉致被害者めぐりBPO
「闘う弊害になると感じる」 BPO審査に家族会・飯塚代表
田原氏「生きていない」発言 有本さん両親、和解打診に応じず
田原総一朗氏の拉致被害者めぐる発言でBPOが審理へ
拉致の有本さん両親、田原氏提訴「裁判で発言の真偽明らかに」

<八百長疑惑裁判>賠償を3割以下に減額 東京高裁判決(毎日新聞)
「らき☆すた」住民票大量売れ残り、廃棄の危機(読売新聞)
クロマグロ問題「妥協せず」=赤松農水相(時事通信)
<夕張市>総務相、再生計画同意 全国初「財政再生団体」に(毎日新聞)
女子中生に売春させる=容疑で「援デリ」業者逮捕−少女40人紹介か・警視庁(時事通信)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。